この記事で伝えたいこと

  • トルコにおけるケバブの定義と奥深い歴史
  • 現地で愛される主要なケバブの種類と特徴
  • 本場ならではのお肉へのこだわり
  • 相性抜群の付け合わせや本場の楽しみ方

トルコと聞いてまず思い浮かぶのは「ケバブ」ではないでしょうか。

トルコのケバブは、地域ごとの歴史や職人の技術、そして豊かな食文化が詰まったトルコの至宝。

日本でもよく見かけるドネルケバブはもちろん、炭火の香りが漂うシシケバブや、地域の個性が光るご当地ケバブなど、そのバリエーションは数えきれません。

本記事では、トルコを代表する有名な食べ物「ケバブ」について、その定義や種類、そして本場ならではのこだわりや付け合わせまで、幅広く解説します。

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目次

トルコのケバブ=「肉料理」の総称

トルコのケバブ

ケバブと聞いて連想するのは?

ケバブといえば、大きな肉の塊が回転しながら焼かれ、それを削ぎ落としてパンに挟んだものをイメージする人が多いはず。

これは「ドネルケバブ」と呼ばれる種類で、世界的に最も有名なケバブの姿といえます。

日本で食べられるケバブは、キャベツが山盛りでオーロラソースがかかっているなど、かなり日本人向けにアレンジされたケバブサンドであることが多い印象です。

ケバブの本来の定義

ケバブという言葉は、広く中東や中央アジア、南アジア等で使われています。

国や地域によって、「カバブ」「カバーブ」「キャバーブ」などと発音されているようですね。

ケバブの本来の(広義の)定義は、焼いた肉だけでなく、魚や野菜、さらにはそれらを組み合わせて調理したものまでを指す非常に包括的な言葉。

しかし、トルコにおいて「ケバブ」という場合は基本的には「肉料理」のことを指します。

羊、牛、鶏の肉が使われます。

ケバブ?ケバプ?

現代トルコ語では本来、ケバブ単体は「Kebap=ケバ」。

「〇〇ケバブ」という形になると、名詞連結の文法ルールにより『Kebabı=ケバ』となります。

(例)"Adana"の"Kebap" ⇒ Adana Kebabı

日本語ではこの濁った音や英語圏の表記が定着したため、単体でも「ケバブ」と呼ばれるのが一般的です。

トルコにおけるケバブの立ち位置

トルコ料理の中でケバブは中心的な存在で、調理法も直火で焼くだけにとどまりません。

炭火で香ばしく焼くものはもちろん、オーブンでじっくり焼き上げるもの、土鍋や壺に入れて蒸し焼きにするもの、さらには野菜と一緒に煮込む料理まで。

肉を主役とした多彩な調理法が「ケバブ」の名を冠して親しまれています。

トルコの人々にとって、ケバブは地域の歴史や文化が凝縮された奥深い食べ物なのです。

ケバブの歴史とスタイルの進化

トルコのケバブにおける多様なスタイルは、長い歴史の中で以下のように変化してきました。

  • 原点(遊牧時代)
    • 焚き火で肉を焼く「肉と塩のみ」の究極にシンプルな野外料理。
  • 宮廷料理(オスマン帝国)
    • 皇帝のためにトマトソースやヨーグルト、バターを用いた華やかな「お皿で食べる」スタイルへ発展。
  • 都市化(近代)
    • 忙しい都市生活に合わせ、パンに挟んだり生地で巻いたり「手軽に食べられる」形で普及。
  • 現代の多様化
    • 欧州からの逆輸入や若者向けのアレンジにより、ポテトやソースをたっぷり入れる「具だくさん」なスタイルが定着。
ドネルケバブサンド
定番ドネルケバブ|中に入れる具材はお店によって違う
Shizuka

パンに挟んで提供されるドネルケバブは、老舗のお店の物ほど中身がシンプル!
味付けは塩のみ、お肉がメインで少量の玉ねぎとトマトのスライスが入るぐらいです。

ケバブを食べられる場所

トルコでケバブを食べようと思ったとき、どのお店に入ってもすべての種類があるわけではありません。

トルコにはメニューや調理法に応じた専門の業態が存在します。

Kebapçı(ケバプチュ)

炭火で焼くケバブの専門店。

アダナケバブやシシケバブなど、注文を受けてから串に刺した肉を炭火で焼き上げるスタイルがメインです。

本格的なレストラン形式が多く、前菜やサラダが次々と運ばれてくるのもこの業態の特徴。

Dönerci(ドネルジ)

その名の通りドネルケバブの専門店。

大きな肉の塊が店頭で回っているのが目印です。

ドネルケバブはランチとして食べられることが多いため、夕方には売り切れて閉まってしまう老舗店も少なくありません。

Dürümcü(ドゥルムジュ)

ケバブをラヴァシュなどの生地で巻いた「ドゥルム」を専門、あるいはメインに提供するお店。

手軽に素早く食べられるため、若者や忙しい人々に人気があります。

テイクアウトしたり、店先の小さな椅子でさっと食べるようなカジュアルなお店も多いです。

Ocakbaşı(オジャックバシュ)

客席の目の前に大きな炭火の焼き台がある業態。

職人が肉を焼く様子を眺めながら、焼きたてをその場で受け取って食べるスタイルはライブ感あり。

中には、お酒と一緒にケバブを楽しめるお店もあります。

Lokanta(ロカンタ)

トルコのロカンタ

ロカンタは、トルコの大衆食堂。

オーブンで焼いたケバブや、野菜と一緒に煮込んだケバブなど、家庭料理に近いメニューが並びます。

すでに調理された料理が並んでいるカウンターから、指差しで選ぶスタイルが一般的。

Fast food zinciri(ファストフード店)

トルコには、ケバブ(特にドネルケバブ)のチェーン店もたくさんあります。

以下、現地の人なら誰もが知っているような有名チェーン店。

  • Öncü Döner
    • トルコ全土で勢いのあるハタイスタイル(トマトソース系)のチェーン店
    • 安くてボリュームがあるので学生や若者に人気
  • Donas
    • 野菜やフライドポテト入りでマヨネーズ系のソースを効かせたドゥルムのチェーン店
    • 学生街であるエスキシェヒルで爆発的な人気を得てアンカラや地方都市を中心に拡大
  • Baydöner
    • イスケンデルケバブをメインにしているチェーン店
    • ショッピングモールのフードコートに入っていることが多い
  • Usta Dönerci
    • バーガーキングをトルコで展開している企業が運営するドネル専門チェーン店
    • ポテトやコーラなどとのセットメニューが充実している

本場で食べたい!有名なケバブの種類

トルコに来たなら、これぞ本場のケバブ!という美味しいお肉を楽しみたいですよね。

調理法や提供スタイルによるバラエティ豊かなケバブの世界を紹介します。

ドネルケバブ(Döner Kebabı)

「ドネル(回転)」の名が示す通り、垂直の串に味付けした肉を何層にも重ね、回転させながら直火で焼き上げる世界で最も有名なケバブ。

外側の焼き上がった部分を薄く削ぎ落として提供されます。

ドネルケバブはどんな風に提供される?

本場のドネルケバブは、「何と一緒に、どう食べるか」を選ぶことができます。

主な提供スタイルは以下のとおり。

Ekmek Arası(エキメッキ・アラス)

老舗のドネル屋では最も一般的なスタイル。

トルコの日常的なパン(Ekmek)にお肉または野菜などの具材も一緒に挟んだボリューム満点のケバブサンドです。

Pide Arası(ピデ・アラス)

Gobit(ゴビット)Tombik(トンビック)という丸くて中が空洞のパンにお肉を挟むスタイル。

ピタパンサンドのような感じです。

Dürüm(ドゥルム)

Lavaş(ラヴァシュ)という薄い生地でお肉をくるくると巻いたロールスタイル。

Dürümはトルコ語で「巻いたもの」を意味します。

Pilav Üstü(ピラヴ・ウストゥ)

バターやオイルで香ばしく炒めたトルコ風ピラフの上に、削いだお肉を載せて提供されるお食事スタイル。

日本人はきっと大好きでしょう。

Porsiyon(ポルスィヨン)

お皿に盛られた「一人前」のセット。

削いだお肉と一緒にピラフや焼き野菜が添えられることが多く、パンは別添えで提供されます。

サイズの指定

最もポピュラーな「Ekmek Arası(パンに挟んだケバブサンド)」を注文する場合、お腹の空き具合に合わせてサイズ指定が可能。

最近のモダンなケバブ店や観光地では、サイズを「Küçük(小)」「Orta(中)」「Büyük(大)」と表現することもありますが、伝統的なドネル屋では通常、以下のように伝えます。

サイズ説明
Yarım(ヤルム)パン1本の半分を使った一般的な一人前サイズ、何も言わなければこのサイズで出てくる
Bütün(ブュトュン)パン1本丸ごと使う特大サイズ、Yarımの2倍
Çeyrek(チェイレッキ)パン1本の4分の1、小腹が空いた時やおやつに最適サイズ
Üç Çeyrek(ウチュ・チェイレッキ)パン1本の4分の3、ヤルムでは足りないけれど1本は多いという人向け

シシケバブ(Şiş Kebabı)

トルコ語で「串(シシ)」を意味する、最も伝統的でシンプルな串焼きのお肉料理。

一口大にカットした羊肉、牛肉、鶏肉を串に刺し炭火で香ばしく焼き上げるスタイルのほか、挽肉を平たい鉄串に巻き付けるスタイル(アダナケバブなど)も主流です。

炭の香りと肉本来の旨味がダイレクトに味わえる、本場ならではのワイルドな魅力があるので、旅行中に是非一度は食べてみて欲しい一品。

テスティケバブ(Testi Kebabı)

テスティは「土鍋・壺」のこと。

肉や野菜を土鍋に入れ、入り口をパン生地などで密封して長時間蒸し焼きにする郷土料理です。

カッパドキアのあるネヴシェヒル(Nevşehir)やヨズガット(Yozgat)が有名。

カッパドキアの名物料理

特にカッパドキアのレストランでは、目の前で壺を割って提供するお店が多いので、閉じ込められていた香りが一気に広がる瞬間とパフォーマンスを楽しむことができるでしょう。

タンドゥルケバブ(Tandır Kebabı

「フルンケバブ(Fırın Kebabı)」とも呼ばれ、土窯(タンドゥル)の中でじっくりと時間をかけて焼き上げる非常に柔らかいケバブです。

デニズリの「Denizli Kebabı」やコンヤの「Konya Fırın Kebabı」が有名で、口の中でとろけるような食感が特徴。

コアなファンが多く、トルコ人にとても人気があります。

ジャーケバブ(Cağ Kebabı)

東部の街エルズルム(Erzurum)が発祥で、珍しい水平回転のケバブ

大きな肉の塊を水平に設置して薪の火で回転させながら焼き、焼けた部分を串で刺して、そのまま削ぎ取るように提供されるのが特徴。

通常のドネルよりも一枚一枚の肉が厚く、薪の香りが染み込んだジューシーさはケバブ通の間で大人気です。

その他、多彩なケバブ

トルコには、焼く以外にも「煮込むケバブ」も存在します。

以下はほんの一例。

  • Tas Kebabı(タシュケバブ)
    • 角切り肉を野菜をトマトベースで煮込んだ家庭的な一品。
  • Orman Kebabı(オルマンケバブ)
    • 「森のケバブ」という意味で、肉とたっぷりの野菜を煮込んだヘルシーな一品。
Shizuka

煮込み系のケバブは見た目や味がどれも似ていて、ぶっちゃけ私には違いがよく分かりません💦

トルコで有名なケバブの種類5選

トルコで有名かつ人気のあるケバブを5つ紹介します。

ケバブの専門店やお肉料理を扱うレストランの多くで提供しているメニューです。

アダナケバブ(Adana Kebabı)

アダナケバブ

アダナケバブは、トルコ南部の都市アダナが発祥のとても有名なケバブ。

ラムの挽肉に赤唐辛子やスパイスをたっぷりと練り込み、平たい鉄串に巻き付けて炭火で焼き上げます。

ピリッとした刺激的な辛さが特徴の大人気ケバブです。

ウルファケバブ(Urfa Kebabı)

ウルファケバブ

ウルファケバブは、トルコ南東部のシャンルウルファが発祥

アダナケバブと見た目はそっくりですが、唐辛子を入れない、もしくは極めて少量に抑えられているので、辛い物が苦手な人にはこちらがおすすめです。

肉本来の旨味をシンプルに味わえるため、本場でも老若男女を問わず愛されているケバブ。

イスケンデルケバブ(İskender Kebabı)

イスケンデルケバブ

イスケンデルケバブは、トルコ北西部のブルサで生まれた豪華なケバブ。

カットしたピデというパンの上に薄切りのドネルケバブを載せ、その上からたっぷりのトマトソースと、仕上げに目の前で熱々の溶かしバターを注いでくれます。

お皿の横に添えられたヨーグルトと一緒に食べるのが本場のスタイルで、濃厚でボリュームのある一品。

トルコ人にはイスケンデルケバブが大好きという人が多いです。

ベイティケバブ(Beyti Kebabı)

ベイティケバブ

ベイティケバブは、スパイスを効かせた挽肉を焼き、それをラヴァシュという生地でロール状に巻いたケバブ

一口サイズにカットしてお皿に並べられ、上からトマトソースや溶かしバターをかけ、ヨーグルトを添えるのが一般的です。

トルコの有名レストラン「ベイティ」がその名の由来と言われています。

パトゥルジャンケバブ(Patlıcan Kebabı)

パトゥルジャンケバブ

パトゥルジャンとはトルコ語でナスのこと。

その名の通り、一口大に切ったナスと味付けした肉団子を交互に串に刺して焼き上げたものです。

野菜とお肉をバランスよく食べられる、トルコの家庭やレストランでも人気の高いメニュー。

ケバブの定番付け合わせ

ケバブの専門店でよく提供される定番の付け合わせを紹介します。

無料で自由に食べられる唐辛子

ケバブの専門店に行くと、唐辛子がテーブルの上にあらかじめ用意されていることが多いです。

よくあるのは、塩水や酢、ニンニクなどで漬け込んだピクルス「Biber Turşusu(ビベル・トゥルシュス)」や、乾燥させた唐辛子を油でさっと揚げたり炒めたりした「Kuru Biber Kızartması(クル・ビベル・クザルトマス)」。

どちらもケバブには欠かせない名脇役です。

  • Biber Turşusu(ビベル・トゥルシュス)
    • ピリッとした酸味と辛味が肉の脂っこさをさっぱりしてくれる
  • Kuru Biber Kızartması(クル・ビベル・クザルトマス)
    • 辛さに加えて香ばしさもありパリパリとした食感が楽しい

サラダ

ケバブを注文すると、サラダが添えられるのが一般的です。

その代表格が「Sumaklı Soğan(スマクル・ソアン)」。

スライスした玉ねぎにSumak(スマック)という酸味のあるスパイスとパセリを和えたもので、ケバブのお供として定番。

そのほか、細かく刻んだ野菜にレモンやオリーブオイルをかけたÇoban Salatası(チョバン・サラタス=羊飼いのサラダ)が提供されることも多いです。

前菜(メゼ)

本格的なケバブ店では、メインの肉が焼き上がるまでの間に数種類の前菜(メゼ)が提供されます。

ケバブと一緒に好んで食べられる代表的なものをいくつかピックアップ。

  • Acılı Ezme(アジュル・エズメ)
    • トマト、玉ねぎ、唐辛子、パセリなどをみじん切りにしてスパイスやザクロソースで和えたピリ辛のペースト
  • Patlıcan Ezmesi(パトゥルジャン・エズメスィ)
    • 焼きナスを叩いてペースト状にし、ヨーグルトやニンニクと和えたクリーミーな一品
  • Çiğ Köfte(チー・キョフテ)
    • ブルグル(挽き割り小麦)にスパイスやトマトペーストを練り込んだ前菜

スープ

ケバブを食べる前にスープを飲む人も多いです。

有名なのは、レンズ豆を使った「Mercimek çorbası(メルジメッキ・チョルバス)」。

レモンをたっぷり絞っていただきます。

ケバブを食べた後の締めや深夜のケバブ屋では、「İşkembe Çorbası(イシュケンベ・チョルバス)」という牛や羊の胃袋が入ったホルモンスープが好まれることも。

テーブルに置かれているニンニク酢やレモン汁、唐辛子をたっぷり入れて、自分好みのパンチの効いた味にするのがトルコ流です。

飲み物

アイラン

ケバブと一緒に楽しまれる飲み物には、トルコならではの定番があります。

最も人気があるのは「Ayran(アイラン)」という塩味のヨーグルトドリンクで、肉料理との相性が抜群。

Şalgam(シャルガム)」という酸味と塩気のある発酵ドリンクを好んで飲む人もいます。

若い人の中には冷えたコーラを注文する人も多く、現地のレストランではこれらが定番のラインナップとなっています。

ケバブの「肉」へのこだわり

なぜ羊肉(ラム)が主流なのか

トルコのケバブにおいて、使われるお肉といえば基本は羊肉(ラム)です。

トルコの広大な土地は羊の飼育に適しており、古くから主要なタンパク源として親しまれてきました。

羊肉は牛肉に比べて脂肪の融点が低く、炭火で焼いた際に脂が溶け出しやすいため、ケバブ特有のジューシーさと香ばしい風味を生み出すのに最適とされています。

特に、出生後1年未満のラムは臭みが少なく柔らかいため、高級なケバブ店ほどその品質に強いこだわりを持っています。

鶏肉のケバブもある

羊や牛に比べ、より安価でヘルシーな選択肢として親しまれているのが「Tavuk(鶏肉)」のケバブ。

ドネル、シシ、手羽先(カナット)の炭火焼など、調理スタイルやメニューも豊富です。

ピラフにチキンをのせた「Pilav üstü tavuk」はテイクアウトでも人気

鶏の胸肉が使われていることが多い気がしますが、ケバブの専門店では鶏肉をパプリカパウダー、ヨーグルト、ニンニクなどで作る特製のタレに長時間漬け込んでいるので、焼いても硬くならずに柔らか。

羊肉が苦手な人でも、鶏肉のケバブなら楽しめますね。

牛肉とのミックスによる進化

ケバブは羊肉が主流とは言え、現代のトルコでは羊肉100パーセントではなく、牛肉と混ぜて提供されるケバブが多いです。

羊肉特有の香りを和らげ、肉の食感に弾力を出すために、絶妙な割合で配合されます。

特にドネルケバブでは、赤身の多い牛肉と脂の乗った羊肉を層にして重ねることが多いそう。

美味しさの秘密「Kuyruk Yağı(尾脂)」

本場のケバブの味を決定づけるのが「Kuyruk Yağı」と呼ばれる羊の尻尾の付け根にある脂身。

アダナケバブなどの伝統的なケバブには欠かせない材料となっています。

トルコのケバブ職人は赤身の間にこの尾脂をバランスよく挟み込んだり、挽肉の中に細かく練り込んだりするそう。

この脂が火に当たって溶け出し、肉全体をコーティングすることで調理中のパサつきを防ぎ、お肉に旨味とコクを与えます。

ケバブを焼く際の食欲をそそる煙の香りの正体も、実はこの尾脂が焼ける匂いなのだとか。

肉の挽き方へのこだわり「Zırh(ズルフ)」

特にアダナケバブなどの挽肉系ケバブにおいて重要とされるのが、お肉の挽き方。

機械のミンチ機を使わず「Zırh」と呼ばれる三日月型の大きな包丁を使って、まな板の上で肉を細かくしていく手法が伝統的です。

三日月型の大きな包丁「Zırh」

機械で挽くよりも肉の繊維が壊れず、脂の粒が均一に残るため、口の中で肉汁が溢れるような食感の違いが生まれるのだとか。

一流のケバブ職人の間では、この包丁使いの技術がケバブの味を左右すると言われているそうです。

イスタンブールで訪れたい人気店

イスタンブールには数え切れないほどのケバブ屋がありますが、特に人気のあるお店を3つピックアップします。

Hamdi Restaurant(ハムディ・レストラン)

エミノニュ地区にあるこのレストランは、イスタンブールで最も有名なケバブ店の一つ。

トルコ南東部ガズィアンテプ地方の本格的なケバブを提供することで知られ、ピスタチオをふんだんに使った珍しいケバブもあります。

眺めのよいテラス席もあり、洗練されたサービスとともにケバブを楽しむことができます。

Şehzade Cağ Kebap(シェフザーデ・ジャー・ケバブ)

旧市街のシルケジ地区にあるこの店は、エルズルム地方の名物であるジャーケバブの専門店。

炭火を囲む熱気とライブ感が人気のレストランで、地元の人も行列を作る名店です。

焼けた先から串に刺して提供されるジャーケバブは、薪の香ばしさが染み込んでとてもジューシー。

Dönerci Şahin Usta(ドネルジ・シャヒン・ウスタ)

グランドバザールの裏路地にある、わずか数畳ほどの小さなお店。

ここは「イスタンブールで一番のドネルケバブ」と称されることも多く、お昼時には周辺で働く人たちや観光客でいつも行列ができています。

派手な座席やメニューもなく、通りで食べ歩きするようなB級グルメながら、その人気ゆえになかなかのお値段。

余計なものが入っていない、昔ながらのシンプルでジューシーなドネルケバブを味わえます。

まとめ:本場トルコのケバブを楽しもう!

大好きなトルコのケバブについて、つい力が入って10,000字超えの長文になってしまいました(笑)

トルコを旅行する際、または日本でトルコ料理店を訪れる際は、ぜひお気に入りの種類や自分なりの組み合わせを見つけて、奥深いケバブの世界を楽しんでみてくださいね。

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